家計簿なしでもOK!お金の使い道を把握して安心する最初のステップ
お金の使い道が見えない、漠然とした不安を感じていませんか
毎月お給料が入ってくるものの、気がつけば手元にお金があまり残っていない。何に使ったのかもよくわからないけれど、なんとなく貯金ができていない現状に漠然とした不安を感じている方は少なくないようです。お金の管理は難しいものだと思い込み、どこから手をつけていいかわからずに、そのままにしてしまっているかもしれません。
「ちゃんとしなきゃ」という気持ちはあるのに、家計簿が続かなかった経験をお持ちの方もいるでしょう。お金の話は身近な人にもしづらく、一人で抱え込んでしまうこともあるかと思います。
この漠然とした不安を解消するためには、まず「自分のお金がどう動いているか」をシンプルに把握することから始めるのがおすすめです。難しく考える必要はありません。今日からすぐに実践できる、家計簿に頼らない手軽なステップをご紹介します。ご自身のペースで取り組み、安心感と自信を育んでいきましょう。
家計簿が続かなくても大丈夫です
お金の管理というと、まず「家計簿をつけなければ」と考える方が多いかもしれません。しかし、細かく記録をつけることに苦手意識があったり、一度つけ始めると完璧にしなければと考えてしまったりして、結局続かなくなってしまうケースはよくあります。
大切なのは、完璧な家計簿をつけることではありません。ご自身のお金の流れを「ざっくりと」把握し、不安の根源となっている「見えない部分」を減らすことです。まずは「お金が何に使われているのか」を知ることから始めましょう。
ステップ1:お金の「入口」と「出口」をシンプルに把握する
最初に行うことは、ご自身に入ってくるお金(入口)と、出ていくお金(出口)を大まかに把握することです。
1. お金の「入口」を確認する 毎月のお給料がいくらなのかを確認します。「給与明細」を一度じっくりと見てみてください。手取り額、つまり実際に銀行口座に振り込まれる金額が、あなたの毎月の「入口」の基本となります。
- 給与明細とは:お給料の金額、税金や社会保険料がいくら引かれているかなどが記載された書類です。毎月会社から発行されます。
2. お金の「出口」を振り返る 次に出ていくお金、つまり支出です。ここを細かく記録する必要はありません。まずは、今月利用したクレジットカードの明細や、銀行口座の入出金履歴をざっと見てみてください。スマートフォンからアプリで簡単に確認できる場合が多いでしょう。
- クレジットカード明細:クレジットカードでいつ、どこで、いくら使ったかの記録です。
- 銀行口座の入出金履歴:銀行口座から引き落とされたお金や、振り込まれたお金の記録です。
この段階では、何にいくら使ったかを細かく分類しなくても構いません。ただ「これくらいのお金が出ているな」「こんなものに使っているんだな」という感覚をつかむことが目的です。
ステップ2:3つの「ざっくり仕分け」で使い道を可視化する
お金の入口と出口をざっくりと把握できたら、次はその「出口」のお金を大きく3つのカテゴリーに分けてみましょう。これにより、何にお金を使っているのかがより明確になり、不安が和らぎます。
用意するのは、ノートとペンでも、スマートフォンのメモアプリでも構いません。
1. 固定費 毎月ほぼ決まった金額がかかる支出です。
- 例:家賃、スマートフォンの通信費、インターネット回線費用、動画配信サービスなどのサブスクリプション料金、生命保険料など。
- ポイント:これらは一度見直せば、継続的に支出を減らせる可能性があります。
2. 変動費 月によって金額が変わる支出です。
- 例:食費、水道光熱費、日用品費、交通費、友人との交際費、趣味や娯楽費など。
- ポイント:日々の生活で使うお金なので、意識次第でコントロールしやすい部分です。
3. その他(特別費) 毎月は発生しないけれど、時々発生する少し大きな支出です。
- 例:美容院代、医療費、旅行費、冠婚葬祭費、家電や洋服などの高額な買い物、自動車関連費用(もしお持ちであれば)など。
- ポイント:年間を通じて計画的に準備しておくと安心です。
これらのざっくりとした分類で、ご自身の支出を振り返ってみてください。厳密な金額を計算する必要はありません。「これは固定費だな」「これは変動費かな」というように、感覚で仕分けてみることから始めましょう。この作業を通して、「思ったより変動費が多いな」「あのサブスクは使っていないけれど固定費になっているな」といった気づきが得られるかもしれません。
ステップ3:月に一度、自分と「お金の会議」を開く
ざっくりと仕分けができたら、月に一度、数分で構いませんので、ご自身と「お金の会議」を開く時間を作ってみてください。
1. 振り返り 仕分けした内容を見ながら、「今月はどんなことにお金を使ったかな」と振り返ります。ここで重要なのは、反省するのではなく、「気づき」を得る視点を持つことです。「今月は友人と会うことが多かったから交際費が増えたな」「新しい洋服を買ったけれど、本当に必要だったかな」といった、ご自身の消費行動や価値観に目を向けてみましょう。
2. 来月の「ざっくり目標」を立てる 振り返りを通して見えてきたことをもとに、来月はどうしたいかをざっくりと決めてみます。例えば、「来月は食費を少し意識してみようかな」「使っていないサブスクを解約してみよう」といった具体的なアクションを考えてみましょう。完璧な計画を立てる必要はありません。実現可能な小さな目標を設定することが大切です。
この「お金の会議」は、ご自身のお金の状態を客観的に把握し、未来に向けた小さな計画を立てるための大切な時間です。続けることで、漠然とした不安が徐々に解消され、お金に対する「コントロール感」が生まれてくるでしょう。
大切なのは「完璧」よりも「続けること」
お金の管理は、一度始めて終わりではありません。ご自身のライフスタイルや価値観に合わせて、調整しながら長く続けていくことが大切です。ご紹介した方法は、あくまで「最初のステップ」であり、ここから自分に合った管理法を見つけていくためのものです。
もし途中でうまくいかないと感じても、自分を責める必要はありません。完璧を目指すのではなく、まずは続けることを意識してみてください。小さな一歩でも、踏み出すことで心理的な安心感につながり、それが自信へと変わっていきます。
ご自身のペースで、お金との新しい関係を築き、「わたしらしいお金の自信術」を身につけていきましょう。